写真展「いつか、忘れてしまっても」

⁡写真展『いつか、忘れてしまっても』

2024年9月13日(金) - 10月8日(火)


[ 会場 ]

御所宝湯

@gose.takarayu

奈良県御所市御国通り2-361-5

14:00-22:00

※第2.4水曜定休

※土日祝日は11:00-

[ イベント ]

・closing party「今日を忘れても全然平気!」 

2024年10月6(日) 12:00-18:00 @yadocharinko
guest:  @kankyoamb @beck.mie @champp049


[ 作家ステイトメント ]

2年前に足を踏み入れた奈良。古の跡は、現代の景色に異様さを放ちながら溶け込み、深い森の奥からは、静かなエネルギーが湧いているようでした。


ひたすらに発展を目指していく都市と、少しの隔たりをとって見つめる、かつての都のあわいが残る土地。この地域には、いぶし銀のような光る魅力があります。


けれども、多くの人たちが外の都心へと、新しいものを求めて向かっていく。そんな四方に囲まれる山々の内側、奈良に、写真を通じて、「眼」を向けることはできないだろうか。


暮らしと共にある銭湯も、都市のように日々多様な人が行き交い、憩い、集う場所です。入浴するだけでなく、人と人との会話が生まれる場所。本展ではその会話でしか、共有されない景色があります。それは物事や自然と同じように、移ろうように、同じ景色は二度とありません。意図的にも、あるいはそうでなくても。


日々目まぐるしく進む世界のなかで、新しさに埋もれてしまい、見落としがちな些細なことに気づく、そんな発見があればうれしいです。


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奈良県御所市にある銭湯「御所宝湯」 での写真展。約1ヶ月間、日々湯を沸かし続ける宝湯さんの営みにお邪魔しました。今年の春夏に幾度か奈良に赴き、撮りためた写真たちが、ただ在るように。銭湯の日常の中に、自然のように移ろう空間に。


振り返ると、この一年で生活が変わり、思考の変化もありました。今はより、写真のある「場」としての景色や体験そのものを届けられたらと思って始まった約20日間、あっという間だったようで、毎日写真や景色を入れ替えたりして、濃密でした。




平日でも100人ほど、土日は一日、200人以上の方が来湯してくださる日も多く、日本各地から、遥々と、たくさんの方がこの銭湯にお越しいただきました。何度も観にきてくださる方もいました。ほんとうにありがとうございました。 ⁡


評価や批評をたくさん受けました。思いもしない意見や感想をもらっても、一喜一憂せずに、ただその先の制作の糧にする。それでも、自分が知らなかった景色や解釈を、鑑賞者を通じて知るときは、とても心が動かされます。




日々景色が移ろう展示にしようと試み、会期中いろんな気持ちを抱え、作品と向き合うなかで、届いたらいいなと願っていたこと、でもたとえ届かなくとも最後までやるぞと決めていたことがたくさんありました。 ⁡


でも、鑑賞者を通じて、わたしは新しい眼で作品を知ることができて、この宝湯で展示を更新していく日々が報われた気持ちでした。 ⁡


自分自身が信じてやってきたことが大切にしていただけた気がして、みなさんに観にきてくださった20日、とてもとても大切でした。



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これからも写真を使って、もっといい景色がつくれるように。長くなりましたが、宝湯の番頭のおーちゃん、スタッフの皆さんをはじめ、関わった全ての皆さんに、感謝を込めて。⁡

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